どうなるサウジ

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社会ニュース部

権力者や著名人のスキャンダルには、ハエの様にマスコミが飛びつきます。しかし今回のサウジアラビアのスキャンダルには、対象物そのものである政治家・国のリーダーまで参戦です。治外法権とはいえ国内の領事館内で殺人が行われたトルコは表向き激怒するのは当然ですが、一番発言しているのはアメリカのビッグベイビー、トランプ。カショギ氏が米国を活動拠点としていたのは事実だが、彼には関係ない話。武器輸出の御得意様を守る為、そして自分の票集めと個人的儲け話の為に、他国の殺人事件の隠蔽に加担する様な発言はまさにトランプのトランプたる所以です。

いつの時代も武器商人が儲かる図式は変わりません。カショギ氏の親が有名な武器商人だったのも皮肉ですね。サウジの対応もあまりに稚拙で、見ていると共感性羞恥が発動しそうなレベルです。「カショギ氏は大使館を出た後消息不明になった」(事件発覚当初)→トルコなどから証拠映像や音声の存在がリークされる→サウジ側が皇太子の知らない所で一部の人間が勝手にやった事にする方向で調整中と各国メディアが報道→サウジ「大使館内で喧嘩となり誤まって死亡。あくまで過失致死」(発言を修正)→「信用できない」「不十分」との世界的世論。殺害時の具体的なリークが小出しにされる→「関係した18人を処分した。再発防止の為ムハンマド皇太子の元、組織を再編する」と発表→露骨な極太尻尾切りと、主犯と見られるムハンマド皇太子と事件の切り離し工作が火に油をそそぐ事に→その結果さらなるリーク。殺害直前のカショギ氏とムハンマド皇太子の通話記録の存在が浮上。関与の否定は困難に→明日23日トルコのエルドアンが会見予定。

今回の件で、トルコによる盗聴などが常時行われていたことは明白ですが、映像・音声全て公開していただきたい。公開しないでしょうが。アメリカ側もアップルの協力で、クラウドにアップされた音声データを入手している可能性が高く、それでも黙認する為に最善を尽くす腹積もりでしょう。今回の件の後、アメリカはすぐさまサウジと打ち合わせし、その足でトルコにも話合いに行っています。

あくまでも私見ですが内容は「サウジの武器購入契約履行の念押し」「見返りとして皇太子を擁護し、トルコ側と交渉する」の2点。原油の件も含めると3点ですが。トルコでは「トルコ側の握る証拠の公開をやめる様嘆願」「その見返りに経済制裁解除と反政府軍への支援停止」を提案。トルコとしては今回の殺人を千載一遇のチャンスと捉えているのは明らかですから、サウジの首をギリギリまで締め上げてサウジ・アメリカ両国から最大の報酬を手に入れるつもりでしょう。今回の「人命」を交渉のカードとして最大限活用するつもりです。

かつて「人の命は地球よりも重い」と言った総理がいましたが、昨今では専ら「私の利益は他人の命よりも重い」と考える政治家ばかりです。どこも懐古主義を謳う輩が多くて嫌になりますね。「メイク アメリカ グレート アゲイン」「オスマン帝国を再び」「ソ連時代の領土を取り戻せ」「エルサレムはユダヤのものだ」「イスラム王朝時代の領土は自分達が支配する」「イギリスの主権を取り戻せ」・・・。

ある大学教授が「今は正直者がバカを見る。嘘を突き通す人間が得をする風潮が世界中で蔓延している」と発言されていましたが、本当にその通りです。金正男殺害の時もそうでしたが、権力者による殺人に対し他国のトップは自国の利害や、それを悪用できないかに思いを巡らします。武器や麻薬、ワシントン条約違反の密輸、賄賂など各国の中枢にいる人間の多くがこれらに手を染めています。彼らにとって戦争・紛争・災害などは金儲けの道具でしかなく、人類にとっての危機が彼らの経済的チャンスなのです。その為、昨今世界各地でピリピリとした空気になっているのは、ある意味必然なのかもしれません。明日エルドアンが会見を行いますが、もし1滴でも良心と言うものがあるのなら事実をぶちまけて、正義を黙殺する世界の潮流に一石を投じてほしいものです。まぁ、淡い夢ですが・・・。

「臆病者は数の力を喜ぶ。勇敢なる者は一人でも戦う事を誇りとする」ガンジー

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