• 土. 4月 20th, 2024

人は往往にして不合理な判断や決定を下します。

例えば現政権を支持する理由で一番多いのは、「他よりマシだから」「野党がだらしないから」と言った類のネガティブな動機です。何故こう思うのでしょう?

一番多いのは経路依存性です。

人間は変化を恐れます。「良くなるか悪くなるかわからない。それなら現状維持で様子見がいいんじゃないか。」ありがちですよね。コレは喫煙が「緩やかな自殺」と言われるのと同じで、「ずっとタバコ吸ってるけど元気だし、このままで大丈夫!大丈夫!」と喫煙を続けて、ある日肺がんステージ4を告知されるのです。人は適応力がある為、日々の小さな変化には無意識で適応してしまうんですね。だから気付くのは手遅れになってから。経済では「茹でガエルの法則」と言われるものです。

次に多いのが「刷り込み」です。

「あの悪夢の民主党政権ウンヌン」「アベノミクスでこんなに経済が良くなったじゃありませんか!」こう言った嘘も、何度も聞かされるうちに脳に刷り込まれるんですね。

ヒトラーの言葉として「転べと100回言われれば、人は転ぶ」というのがありますよね。実際、彼の言葉なのか分かりませんが(私はゲッペルスの言葉だと思うのですが・・・)、今の政権与党はナチシンパの閣僚が非常に多いので、こうしたデマゴーグが闊歩しています。

おそらく彼らがレーニンやムッソリーニの様に、暴力的に権力を掌握しようとすれば失敗したでしょう。しかしナチスの様に嘘を刷り込み、民衆を分断・反目へと導く事で過半数を掌握しています。コレは日本だけでなく、世界中の極右政党がやっています。ここに「社会全体を良くしたい」という思想はありません。民主主義を「多数決」と取り違えている政党と、民主主義を理解できない群衆がナチスを作りましたが、同じ様なムーブメントが各地で起きているわけです。彼らは皆、民主主義のバグを突いて侵入したウイルスの様なものとも言えるでしょう。放置すれば乗っ取られて終わりです。

民主主義は良いシステムですが、操縦は難しいのです。ボンボンが親に買って貰って乗り回せる様な仕様ではないですよね。

真実はどこにある?

昨今は権力者に都合の良い様に、データすら書き換えられるので困ったものですが、それでもデータから見えるものは多いです。例えば最初に挙げた「悪夢の民主党政権」ですが、本当でしょうか?中小企業庁のサイトからGDPの6割を占める「民間最終消費支出」の推移を見てみましょう。コレは民間がどれだけ消費活動をしたかなので、国民の景気感に一番近い指標です。

コレに「政権」と「出来事」を書き込んでみると・・・

黄色のラインが「民間最終消費支出」です。

  1. 自民党時代は横這いからジリジリ下げている所にリーマンショックで大きく下げています。
  2. 民主党時代は上昇途中に東日本大震災で落ち込みましたが、四半期ですぐに上昇に転じています。それ以前の自民党時代より明らかに上に位置しています。
  3. 政権交代後、民主党時代の流れを1年程引き継いでいますが、自民党が導入した消費増税で一瞬の駆け込み需要後、大失速しています。この下落率はリーマンショックの数倍です。その後も消費は回復せず、民主党政権が終わった時より消費は低いままです。

結局グラフを見れば一目瞭然ですが、自民党時代は「緩やかな下落」、民主党時代は「上昇」、その後の自民党時代は「1年の上昇後失速、低迷期へ」

コレが基本基調です。つまり「悪夢の」と言うのは「国民にとって」ではなく「自民党にとって」悪夢なんですね。

何故 多くの人が騙される?

それは簡単で、「経団連」「メディア」「財務省」彼らが自民党支持だからです。

「経団連」にとっては言う事を聞いてくれ、企業に優しい自民党が都合が良い。

「メディア」にとっては「経団連」に属する企業のスポンサーによって生計を立てているので利害が一致する。

「財務省」は増税に貢献する事が省内での出世のアドバンテージになる為、増税に前向きで経済に疎い政権が理想。

つまり「メディア」を右だ左だと言っていますが、詰まる所スポンサーの顔色を伺う事しかできないのです。政権与党が献金主の「経団連」の意に添い、「メディア」もスポンサーの意に添う。結果、メディアが政権のプロパガンダに使われる。

素直な人や、無知な人は鵜呑みにしてしまうんですね。

また悪質なのが、有識者の買収です。見返りを与えて嘘をつかせるんですね。

人を騙す際に、「〇〇大学名誉教授」とか「財政〇〇会議理事」とか肩書きがあると信じてしまいませんか?こういうの「権威プロパガンダ」と言います。むかーしむかしからある古典的手法です。

騙されない為に

一番は「疑問」を持つ事です。「ホントかな?」「なんでだろう?」と思えば自分で調べますよね。ちゃんと元となる一次データを探して確認する習慣が大切です。

ネット上には、「名目」と「実質」をこっそり変えて嘘の情報を流したり、連続性の無いデータを使って誘導する様な悪意ある情報も溢れているので、必ず元データを確認しましょう。

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