レントシーカーのミカタ〜ロビイストの欲望

2019年8月11日

社会のシロアリ/レントシーカー

20年を超えるデフレ。つまり市場のパイが広がりません。となると強欲な人間は何を考えるか?新しい市場が無ければ・・・人のテリトリーを強奪するんですね。

レントシーキング。どんなものか、物語で見ていきましょう。

ある街に巨大ブックストアが有りました。景気の良い時には人で賑わい業績も絶好調。どんどん市場規模を広げ、ついには全国展開しました。

しかし不景気になるにつれ、人々は出費を抑えるために本を買わずに図書館へ行く様になりました。ブックストアのオーナー竹中さんは考えます「儲けが減ってしまった。これ以上市場も拡大できないし・・・でも潜在的顧客は図書館にいる。あれを奪ってしまおう!」と。

そこで「レントシーキング」いわゆるロビー活動をしました。政治家に対し「図書館は税金の無駄使いで、合理化する必要がある。財政健全化の為にも民営化するべきだ」と訴え、政治献金などをチラつかせました。

更に彼はメディアのスポンサーとなり、番組出演者に「図書館ってサービス悪いよね」「民営化してスタバとか併設したらいいのに」など発言させ大衆世論を扇動(洗脳)していきました。

これに乗ってしまった政治屋さんが、「民営化だ!」「財政健全化だ!」「図書館民営化!国民により良いサービスを!」などと声高に叫び、公共の財産である図書館をコンセッション方式で運営だけ民営化しました。

運営権を手に入れた竹中さん、ほどなく図書館を会員制にし、入会金や年会費を取り始めました。更に本を減らし空いたスペースで、コーヒーを販売し莫大な富を手に入れました。

5年後、老朽化した図書館で外壁が剥離し落下。そばを歩いていた子供が大怪我をしました。子供の親は竹中さんに賠償請求しました。しかし竹中さんは「この建物の所有権は地方自治体です。私は運営権しか持っていません。だから訴えるなら行政を訴えてください。」と言いました。裁判で自治体は敗訴し、地域住民の税金から賠償金が支払われました。

政治家は献金を手に入れ、オーナーは金を手に入れ、国民は苦渋を手に入れました。めでたしめでたし・・・めでたくないわ。

デフレとロビイスト

デフレが続けば消費が冷え込み、市場規模が縮小します。すると必然的にレントシーカーのターゲットは公共事業に向かいます。

事実、郵政民営化、水道民営化、送配電分離、種子法廃止など枚挙にいとまがありません。

最後に具体例を一つあげて終わりましょう。

大阪で「我々は公務員の数を削減して、教育の無償化も実現したんですよ」と胸を貼る頭の弱い連中がいますが、その実態を見てみましょう。※以下のデータは大阪市のホームページで閲覧可能でしたが、現在はアーカイブから消されている様です。

『大阪市では、区役所における市民サービスの向上と効率的な業務運営をめざしており、区役所における窓口やバックヤードにおける住民情報業務等を委託するための企画提案を募集し、外部の有識者による選定会議を経て、次のとおり委託予定事業者を選定しました。
1 委託予定事業者
(1)北区 株式会社パソナ  (提案額:126,932,876円) 
(2)福島区 株式会社パソナ  (提案額:56,697,883円)
(3)此花区 株式会社メディカルアソシア  (提案額:76,364,387円) 
(4)中央区 株式会社パソナ  (提案額:115,037,263円) 
(5)生野区 株式会社パソナ  (提案額:113,634,136円)
(6)城東区 株式会社メディカルアソシア  (提案額:52,708,239円)
(7)鶴見区株式会社メディカルアソシア  (提案額:83,663,158円)
(8)住吉区 株式会社パソナ  (提案額:114,575,848円)
(9)平野区 株式会社ジェイエスキューブ  (提案額:78,552,000円) 
(10)西成区 ヒューマンタッチ株式会社  (提案額:72,737,314円)

ちなみにパソナは竹中平蔵が会長でメディカルアソシアは子会社です。

この2社だけで7億3961万円ですねぇ。ご存知でしょうが、竹中平蔵は維新の会の顧問をしていました。

教科書で紹介できそうなレントシーキングですね。

ついでに言っておくと、教育無償化もファクトチェックが行われています。公立高校については民主党政権時代に国の政策として開始。私立高校は国の補助を受け不足分のみ大阪で負担。幼児無償化については、大阪市に限っては幼稚園無償化、保育園は半額。大阪全体ではいくつかの市が無償化を実施しているに留まっています。つまり一部を切り取り、あたかも大阪全体で維新が教育無償化をしたかの様な、印象操作を行っているだけです。

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