• 木. 11月 21st, 2024

TPPのミカタ〜ISDS条項に気をつけろ

毒薬、ISDS条項。

アメリカとのFTA交渉には、ISDS条項が確実に盛り込まれます。韓国の様に一方的なものになる可能性もあるでしょう。「ISDS条項は誤解されていて、本当は毒薬でもなんでもない」と力説している右翼サイトが多々ありますが、気持ち悪いです。先進国間も含め、様々事例もあるのに全く現実を見ていません。現在は本来の使われ方以外に、一部の弁護士と企業の結託で悪用されているのが実情です。

ISDS条項とは

元々は海外へ進出した企業が、その国の政府の方針変更などで不利益を被った際に、訴訟ができる様にするものでした。しかし現在は、ハゲタカ金融機関などが現地政府に難癖をつけて、暴利を貪る為のATMと化している一面があります。

しかもNAFTAなどで実際に行われた訴訟をみると、アメリカ側が訴えられた訴訟でアメリカの敗訴は1件もありません。

理由は簡単で、まず訴える際には3つのパターンがあります。ICSID、UNCITRAL、当事者合意の3つの仲裁規約からどれかを選びます。ICSIDの本部はワシントンDC、UNCITRALはアメリカが牛耳っている世界銀行の下部組織。あとは当事者合意ですが、どれを選んでも大差はないです。何故か・・・。

仲裁は企業側、国側、両者合意の民間弁護士3人で判断されます。しかしこの手の訴訟に精通している弁護士は少なく、実質的に3つの弁護士事務所が君臨しています。

アメリカのホワイト・アンド・ケイスとキング・アンド・スポールディング。それとイギリスのフレッシュフィールズ。しかもこれらの事務所は密に連絡を取り合う関係です。

つまり日本がアメリカ企業に訴えられた場合は、十中八九負けます。

それって必須なの?

危険性を認識したオーストラリアやボリビア、南ア、エクアドルなどISDSを組み込んだ貿易協定にNOと宣言した国もあります。しかし現在の自民党が、アメリカの要求を拒否する可能性はまず無いでしょう。

実際公共事業への入札や、食品の安全基準の低下など様々なものが動き出しています。選挙前に安倍首相がトランプ大統領に、かなり大きなプレゼントをしている様ですしね。

実際被害にあった国ってあるの?

残念ですが多数あります。いちいち挙げたらキリが無いので・・・

興味がある方は代表的な所はwikipediaで確認できます。

一応言っておきますが、ISDSを全面的に悪いものだと言っているわけではありません。本来の使い方であれば両国にとって有益です。ただし非常に大きなリスクも孕んでいることを、政府は国民に知らせる義務があるのではないでしょうか?

ラチェット規定

ISDSと共に危険が噂されるのがラチェットです。

ラチェットは「つめ車」の事で、一方向にしか進まない歯車です。そこから経済用語としては自由化・緩和へ動かしたものは、規制強化への変更はできないというものです。

TPPやFTAで民営化や規制緩和、関税撤廃したら、後々不利益が発生しても元には戻せないという事です。ですから最初に大きな譲歩をしてしまうと、取り返しのつかない事になるのです。

現在の安倍外交においては、トランプの言いなりと言っても良い状況ですので、非常に危険度の高い規定となるはずです。仮に政権交代しても、この現政権の負の遺産に悩まされ続ける可能性は高いでしょう。

Share the love!!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です