暴走政府のミカタ〜止める手段

2019年9月8日

「政府の暴走」というと現政権を想像される方も多いかと思います。あとは・・・「ナチス」でしょうか。まずは民主主義によって成立したナチスがどの様に暴走への道を歩んだか見ていきましょう。そこに何かヒントが隠されているかもしれません。

ナチ党 NSDAP(国民社会主義ドイツ労働党)ですね。一般には国民〜ではなく国家〜で表記される事が多いですが、正式名称は国民〜です。

当初は野党でしたが、彼らはクーデターを起こします。ミュンヘン一揆です。しかし法律違反だった為国民は追従せず鎮圧されます。ここから彼らは合法的に権力を握る方法を模索するのです。それなら良いんじゃない?と思った方、甘いです。彼らはこう考えたんです。「立法権を握って、法律の方を自分達に合わせたら良くね?」と。

そんな中で世界恐慌による40%越えの失業率を境に、国民の怒りや不満の矛先をユダヤ人(という仮想敵民族)へと扇動し、国家主導(独裁)で国を立て直すと約束し支持を集める事に成功。まぁ今の日本で言えば N国がNHKを叩いて国民の支持を得るというやり方は正にこれですね。自民党の韓国叩きも同じです。メディアまで加担しているのはかなり重症ですが。

ヒトラーは政権を取った直後に内閣を解散します。すると選挙前に議事堂放火事件が発生。これをドイツ共産党の犯行と叫び、共産党支持者をナチ党側に引き込みました。結果、民主的にヒトラー内閣が誕生。そして悲願の「全権委任法」を制定。立法権を掌握するのです。つまり三権分立の行政と立法を握ったのです。おやおや?何処かの国の行政府の長が「私は立法府の長・・・」と複数回発言されてましたよね、これって・・・。

さて政権を取ったナチ党は何をしたのか。まずは公共工事です。ドイツのアウトバーン建設で大量の失業者に雇用をもたらしました。そして四カ年計画で軍需産業を活性化、ここでも失業者に大量雇用を生み国民の支持を集めます。安定雇用・安定収入を実現してくれたわけですから人気も出ます。その人気を盤石のものとする為、彼は次の一手を打ちます。それが共通の敵を作る事。つまりユダヤ人排斥です。ホロコースト(大量虐殺)やアウシュビッツ(強制収容所)は耳にされた事ありませんか?仮想の敵を作り攻撃させる事で、団結させる・・・恐ろしいですね。

彼らが目指したのは「労働者階級の国民化」であり「民族共同体の実現」です。わかりますか?つまり国民の画一化を進め、ドイツ民族を最上とする意識を植え付けるという事です。現代で言えば「多様性の排除」ですね。その為に何をしたか・・・SA(突撃隊)によって反対派を暴力で抑圧、SS(親衛隊)によってナチ幹部の周辺を護衛→のちのゲシュタポ(秘密警察)ですね。これで国民は反旗を翻す事が困難になったのです。ん?なんだか北海道の総理街頭演説を想起させますね。

国内基盤が盤石になった事で、ナチスは外へ目を向けます。軍備拡大の足枷と感じていた国際連盟を大日本帝国に続いて脱退。再軍備化を宣言し徴兵制を復活させます。あとは第二次世界大戦へと向かうわけです。

どうやって政府を止める?

ナチスのケースを見ると、第二次世界大戦に至る過程で2度程他国がドイツを止めるチャンスはありました。ではその前に国民が止める事は出来なかったのでしょうか?

普通の状況下で「全権委任法」が制定されたなら、この時点で反対が起きそうですよね。しかし貧困に苦しむ国民を救ったヒトラー。そして敵はユダヤ人だとプロパガンダで洗脳されています。しかも反対勢力は力尽くで抑え込む。なかなか制止する事は難しかったのではないでしょうか。

翻って現在の日本はどうでしょう?少子化の影響で失業率こそ低く抑えられていますが、貧困状態。国民の所得は減り続け、税負担はうなぎのぼりです。メディアは韓国や吉本、麻薬の芸能人など攻撃対象を見せ国民を連日煽っています。政府にヤジを飛ばせば警察に取り押さえられます。そんな中で、国民を権力者から守る「憲法」を改正しようという動きが本格化してきました。これはナチスの「全権委任法」を認めるのと同じ事です。しかも自民党(日本会議)憲法改正草案では、主権は国民ではなく実質的には国家になっています。つまり民主主義の終焉です。

現在の野党の姿勢を見ると、改憲論議には応じるのでしょう(本当はこれ自体応じてはいけません。改憲を国家側から言い出す事自体、既に主権が国民ではなくなっているからです)。そうなれば今迄通り自民党が強行採決で国民投票まで持って行くのでしょう。国民に残されたチャンスはこの国民投票1回だけです。「独裁政治」を選ぶのか「民主主義」を選ぶのか。

ただあまりに多くの国民が、事の重大さに気付いていないのは本当に悲劇です。独裁が始まれば、もう誰も止められません。戦争に負けるまでは・・・。先の戦争で国連憲章の敵国条項対象になったままの国が、何やってるんでしょうかねぇ。

代議制民主主義の限界

間接民主主義(代議制民主主義)は一見すると合理的です。選挙によって国民の代表を選び、その代議士達によって社会の方向性を決めていくのですから。でも殆どの議員は政党に所属しますよね。そして政党内にはヒエラルキーが存在します。その上部が経団連などと癒着した場合どうなりますか?

組織論で「30人の壁」と言うのがありますが、昔の自民党であれば派閥同士のパワーバランスで自浄作用が働く面もあった気がしますが、現在の自民党は「安倍一強」などと言って、巨大な一塊りとなってしまい自浄作用ゼロの状態です。

基本的に今の様な政治体制では、まともな議論すら難しいでしょう。実際重要法案のほとんどが強行採決で可決されています。二大政党制では無い中で、小選挙区制を採用している事も問題の一端にはあるのかもしれませんね。

ヨーロッパでも同様の問題から直接民主制の話は聞かれます。それは「代議士に移ってしまった主権を国民の手に取り戻す」という図式です。日本でもN国が直接民主制を主張していますが、これは目的が違う様ですけど・・・。では現在直接民主制のスイスはどんな状況なのでしょう。

明日からはスイスの直接民主制について、数回に分けて見ていきましょう。

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