小さな政府のミカタ〜ミルトン・フリードマン

2019年9月14日

ミルトン・フリードマンというアメリカの経済学者がいます。新自由主義を主張するパンキッシュな方です。この「新自由主義」安倍氏の大好物ですね。財政出動興味なし、ミスターマネタリズム。

私的イメージとしては「政府は国防とか警察とか担当してりゃいいんだよ。あとは民間にやらせればいい。自由最高!麻薬や銃だって禁止しても裏で流通するんだから無駄無駄!合法にしちゃえよ!無免許でも運転上手けりゃOKじゃね?インフラ?医療?福祉?年金?そんなもん自己責任だろ、個人が民間に金払ってやって貰え!そしたら企業が儲かって最高じゃん!」そんな感じです。リバタリアニズムという哲学思想ですね。

政府の活動範囲が小さくなり、政策は国より小さな市区町村などへ移ります。「小さな政府」と言われる所以ですね。

フリードマンが「政府がするべきでない14の事」を挙げています。

1. 農産物の買取保証価格制度
2. 輸入関税または輸出制限
3. 農産物の作付面積制限や原油の生産割当てなどの産出規制
4. 家賃統制
5. 法定の最低賃金や価格上限
6. 細部にわたる産業規制
7. ラジオとテレビの規制
8. 現行の社会保障制度、とくに老齢・退職年金制度
9. 事業・職業免許制度
10. いわゆる公営住宅および住宅建設を奨励するための補助金制度
11. 平時の徴兵制
12. 国立公園
13. 営利目的での郵便事業の法的禁止
14. 公有公営の有料道路

小泉政権以降、今回の日米FTAまでに上記のどれが実行されたのか、そしてその結果として国民の生活にどの様な影響が出たのか、見て行く必要があるでしょう。

新自由主義の真実

有名な「小麦の話」というのがあります。

「自由市場においては黒人が作ったパンも、白人が作ったパンも美味しければ売れる、不味ければ売れない。つまり平等で差別がない。だから自由主義は素晴らしい。」というロジックです。

新自由主義を標榜する人々は、これを以って「自由競争の何が悪いの?差別も無いし」と主張します。

そもそも差別を所得というモノサシで測る時点で、ナンダカナーと感じるわけですが・・・。この理屈でいくと子供・老人・障害者・怪我人・病人・妊婦・失業者・貧困層などは「生産性が低く、社会のお荷物」という話に繋がっていくのです。相模原の事件でも犯人が同様の発言をしていましたよね。現政府がこのスタンスを続ける限り、この様な思想が肯定され、ネトウヨ的な病的思考の人物が量産されてしまうのです。自分が子供だった事や、将来老人になる事、怪我や病気で障害を負うかもしれない事もわからないのでしょうか・・・。

本来 人は子供時代は親・学校・地域によって守られ、大人になれば家庭・企業・地域を守り、老人になれば家族・地域・国が守っていたわけです。ところが近年は大人になっても「自分独り」養うだけで一杯一杯の人が急増しています。猛暑でも電気代を払えず孤独死する人もいます。全国に「子ども食堂」は倍増し「大人食堂」まで現れています。これらは「新自由主義」という名の下、搾取を続けた結果です。格差の拡大により、中間層のレベルが貧困層へと転落しているのです。

そもそも「新自由主義」は一部の優越的企業へ富を集中させる為のシステムです。

わかりやすい話をしましょう。

マッチョな大学生とヒョロヒョロの小学生が、同じ条件でボクシングをします。これって平等ですか?巨大資本のスーパーと個人商店はどうですか?新自由主義ではこれが平等と見做されます。

全て自由にすれば基礎体力のある方が総取りとなり、弱い方は0やマイナスとなるのです。勿論、一握りの人は基礎体力が無くとも上手くやれる人もいます。しかし多くの弱者が淘汰されて行けば、貧困層は増え格差は拡大していきます。それが行き過ぎない様に政府は「規制」や「セーフティネット」を作るのです。確かに「規制」によって参入障壁や利権が発生する弊害は有ります。しかしそもそも「利権」は規制があろうとなかろうと存在するのです、それがAにあるかBにあるかの違いでしか有りません。

格差はなぜ拡大するのか

これについてはピケティが結論付けた式が有ります。

r>g

rというのは資本収益率、つまり株や不動産からの収益率です。

gというのはGDP成長率です。

ご存知の通り日本のGDP成長率は低いです。実質賃金も下がっていますから、当然個人消費も伸びません。政府は景気対策と称し大企業優遇の政策に邁進し、株価だけは外資が売れば日銀がETF買いで必死に支えています。「r > g」を死守する覚悟なのでしょう。

つまり格差拡大は政府が望んでいる事で、資本家や大企業の為だけに現政権は存在していると言っても過言では有りません。

実際、給与所得の上昇とは比較にならないスピードで資本は上昇しています。つまり富める人はより富み、労働者は増税で貧困化するというシナリオになっています。

ピケティの提示した解決策の1つは累進課税です。これは政権交代が起これば実現可能な策です。もう一つが「タックスヘイブンを無くすこと」なのですが、これは恐らく難しいでしょう。「パナマ文書」や「パラダイス文書」などが流出しても、結局各国の権力者や富裕層が軒並み名を連ねている為、誰も改革に着手しようとはならないのです。

今、国民にできる事といえば「新自由主義」にNOと声を挙げる事、これしか無いのかもしれませんね。

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