憲法のミカタ①

2019年9月17日

現政権が憲法改正を目指していますが、何故これだけ固執するのでしょう?「アメリカ主導で作られた事」や「自衛隊の明文化」などナショナリズムを煽れば国民の半数以上は騙せると踏んでいるのでしょう。その一方自信がないのか、国民投票「2/3以上の賛成」を「3/5以上」に緩和したいなどと訴えています。そもそも当時の日本指導部に憲法を作らせたら、大日本帝国憲法とほぼ同じものを提出してきた為に、アメリカ側が民主主義的憲法のたたき台を提示し、日米で協議しながらそこに肉付けしたものが現行憲法です。当時の日本主導では民主主義的憲法など実現不可能だったのは明らかです。

そもそもの話ですが「憲法」は権力者を縛るもので「法律」は国民を縛るものです。その憲法を権力者が「自分の都合の良い様に書き換えたい」と主張する事がおかしいのです。改憲を党是とするなど有りえない話です。

では現行憲法と自民党改憲案を少しだけ掻い摘んで、紐解いて見ましょう。長いので数回に分けてご紹介します。

実は大事な憲法前文

皆さんは「前文」と聞くと、本の「まえがき」をイメージして「大した事書かれてないんでしょ?」と思われるかもしれませんが、憲法前文は非常に重要です。

現行憲法前文では「日本国民は人類普遍の原理・政治道徳・崇高な理想と目的について決意しこの憲法を確定した」と宣誓しています。つまり大日本帝国憲法による全体主義体制を排除し、民主的憲法を新たに制定し主権を国民の手に戻すという事です。そして今後「政治道徳に反する改憲案が示された場合」これも排除の対象となると示唆されています。

また生存や安全については、軍事力による解決を探るのではなく、世界中の人類の生存権を常に意識し、正義の為に振る舞う事。またそれに止まらず「専制・隷従・圧迫・偏狭」を排除する努力をする事を謳っています。

自民党改憲草案の前文はどうでしょう・・・

改憲案ですが実はのっけから主語が「日本国民」から「国家」にすり替わっています。つまり「主権者である国民が憲法を制定し国家を作る」という近代民主国家の基本すら引っ繰り返し「国家が憲法を作る」つまり国民よりも国家・政府を上にしているのです。そう言えば以前国会で「私が国家です」と言い放った人がいましたね。

また「過去の戦争」についての記述も有りますが、1941〜1945の太平洋戦争だけを取り上げ、被害者ヅラした記述に終始しています。そこには自国が犯した多くの戦争への反省など一欠片も見当たりません。

「後悔は過去を変えようとする事、反省は未来を変えようとする事」

という言葉が有ります。歴史修正主義の現政権において改竄・隠蔽・隠滅など何とも思わないという姿勢が、この改憲案にも如実に表れています。しかも改憲草案によると、3・11や福島の原発問題はもう乗り越え発展している事になっています。

「国と郷土を誇りと気概を持って自ら守る」こんな記述も有ります。つまり「御国のために命を捧げなさい」という事です。更に憲法が国民を保護する「基本的人権の尊重」に至っては、自民党の草案では「自分で自分の人権を尊重しろ」と憲法に命令されるシュールなコントになっています。政府への反発を戒める記載も見受けられます。皆さんはお気付きでしょうが、言論の自由は既に統制が始まっていますよね。総理に対するヤジは逮捕されちゃいますからね。メディアも政府批判をすれば「放送できなくする」と脅されます。

草案前文に於いて一貫しているのは「国家>国民」「自助共助」「戦争肯定」「国権論」「自由弾圧」と言った所でしょうか。

現行憲法「国民の人権を守り、平和や平等を目的とする為に、国民が憲法を制定し国家という統治機構を形成する。

自民党草案「国家の存続を目的とし、その為に国民は全てを捧げる必要がある。憲法は国家の為に有り、国民は国家を維持する為の手段である。

私は改憲自体は、国民から不満の声が多く聞かれる様になれば有りだと思っています。しかし現政権の草案を見る限り、明らかに大日本帝国憲法を取り戻したいという「岸信介一族」「日本会議一派」などの、野望しか感じません。

こんな酷い改正案ですが、ほとんどの自民党支持者は見てもいません。真剣に見るのは残念ながら、既に気付き危機感を持っている人々なのです。根本的な解決は、やはり国民が賢くなるしか無いのだと痛感します。

次回は中身について見ていきましょう。

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