上記の流れで十分分かると思うのですが、「基本的人権」は国家や憲法などから与えられた物ではありません。自然権なんですね。つまり生まれ持った権利であり、それを冒されない為に憲法で保障しているわけです。(「与える」ではなく「保障する」と書かれているのはその為です。)。
分かり易い例を挙げましょう。国を失った難民の方達、国家が無いからといって人権を無視した扱いをして良いのですか?「人権」とはそもそも「自然権」なのですよ。ですから憲法が国民に人権を与えているわけではなく、元々全ての個人が持っている物なのです。憲法は他人の人権を冒さない様に書かれているのです。
そして国民が基本的人権を持つ事で初めて(国民を代表する)国会が存在するのです。司法・立法・行政、そのどれもが、全ての国民が基本的人権を有する前提で成立しているのです。
自民党の改憲草案で「人権」に関わる部分を見ていくとわかりますが、「人権」を恣意的に無力化させようとしているのが見て取れます。しかし「そもそも論」ですが人権は憲法より前にあります。先程も述べましたが、憲法が人権を与えたわけではなく、「全ての国民が元々持つ人権」を他人から守る為に憲法が存在するのです。おそらくこの改正案を書いた連中は、「憲法が国民に人権を与えている。こんなに権利を与える必要は無い」という独裁者にありがちな根本的な思考の誤ちを露呈しているんですね。