野党共闘のミカタ

2019年10月17日

政権交代の為に何が必要か。まず野党共闘です。

それは今の選挙制度、つまり小選挙区制の弊害とも言えます。二大政党制で効果的な小選挙区制は、現在の日本には向いていません。しかしこの縛りで闘う以上、野党同士の潰し合いは愚策としか言えません。そこで共闘となる訳ですが、コレがなかなか難しそうです。

いわゆる元民主党と呼ばれる方々は、基本的に増税賛成派です。歳出カットと増税でPB黒字化を目指すという点で、大枠では自民党と方向性は同じなんですよ。野田氏は10%、枝野氏は10%→8%、玉木氏は10%〜5%です。共産党、れいわは消費税撤廃を訴えています。政権交代が急務と考える共産党・れいわは野党がそれぞれ歩み寄れる提案として「5%への減税」を打ち出しました。しかし立憲の上層部は8%の線を譲る気は無いようです。このまま行けば利するのは自民党です。

最近、私がtwitterに手を出した事は以前書きましたが、tweetをツラツラと眺めていますと「立憲支持者」VS「れいわ支持者」をよく見掛けます。中身は結局「PB黒字化をどう捉えているのか」に行き着く様に感じます。財政健全化を優先する立憲と、国民の生活向上が先と考えるれいわですが、折り合える点はあるはずです。

日本のPB赤字は誰のせい?

そこでまずは日本のプライマリーバランス(PB)の推移を見てみましょう。このグラフを見てどう感じますか?「PB黒字化」「財政健全化」と政府は声高に叫んでいますが、PBを大幅に赤字化させたのは誰でしょう?安倍・麻生、この方達PB大幅赤字化させた張本人ですよ。

第二次安倍政権下でPBは改善しています。それは国民への支出を減らし、増税で絞り上げているのですから当然ですけど。PB黒字化の為に「国民の皆さん!痛みに耐えて、耐えて、耐えて下さい!その内慣れますから。」というネタが有りましたが、その影で減税されて甘い汁を吸っている人達居ますよね。

「PB黒字化は国際公約だ!」と鼻息荒く仰る方も見掛けます。コレは恐らくG20で債務対GDP比の適正化目標に対して、「PB黒字化でその目標実現を目指します」とした事を指しているのかと思います。つまりPB黒字化と言うのは手段なんですね、目標では無く。そして手段は変更可能です。と言うか他の国も適宜削除や変更をしています。

結局PB黒字化は必要?

そもそもPB黒字化を目指すと言う事自体が、間違った施策を誘発する可能性が有ります。何故か?簡単に言えばPB黒字化には

  1. 歳入を増やし、歳出を減らす。
  2. 歳入を増やし、歳出を微増。
  3. 歳入を微減、歳出を減らす。

大きく分けるとこのどれかを実行する必要が有ります。

1の場合、コレは今の安倍政権がやっている事ですね。増税しつつ社会保障など国民が受ける便益を削る。

2の場合、税収を増やしつつ、歳出も少しずつ増やす。

3の場合、税収は少し減るが、それ以上に国民の社会保障などを削る。

実は1と3は国民が苦しむだけの愚策です。デフレ下で実質賃金が下がっている中、こんな施策を執れば「個人消費」が落ち込み、税収の減少→更なる歳出削減と負のループにしか成りません。

ところが多くの政治家は、短絡的に1→3→3→・・・と負のループを選ぶのです。PB黒字化の為に、国民を貧困化させるんですね。

では2を選んだらどうでしょう?実はコレが答えです。歳入(主に税収ですが)を増やすには税率や税の種類を増やす以外にも、「所得を増やす」「個人消費を増やす」など歳入を増やす方法はあるのです。コレらは全体のパイを増やす事で税収を増やすわけです。対して歳出は少子高齢化に伴い嫌でも増加します。その増加分以上にGDPを押し上げれば、国民の生活を向上させつつPB黒字化も達成可能です。

出典:IMF

上記は名目GDPの推移です。オレンジ(米国)ブルー(中国)レッド(日本)です。

もし上記の米国や中国の様にGDPが成長していれば、増税せずともPB黒字化に近づく事は可能なのです。

私自身はPB黒字化に引っ張られて、現実の国民生活を忘れてしまうのは本末転倒だと思うのですが、それでも多くの政治家の方はここに固執されます。

野党共闘の為には・・・

私はGDPの6割を占める「個人消費」を喚起する事を、野党共闘の旗印にすべきだろうと考えています。所得や個人消費をどの程度増やすのか、具体的な目標と道筋を示せれば十分に闘えるはずです。

そう言う意味でも消費税は、ポイント還元や軽減税率がある現状に於いて8%では、税収を減らすだけで国民の消費マインドには何も響かないでしょう。やはり最低でも5%でなければ全く意味を持たないでしょう。

立憲的にも消費が喚起され税収が増える目算が立てば、8%に拘る理由はないはずです。結果的に財政健全化にも繋がるはずです。「税収を増やすには、税を増やすか税率を上げるしかない」と言う思い込みを捨て、全体のパイを拡げる事を考えて見れば共闘は可能なはずです。

実際はインフレターゲットに近づくまでは、自国通貨建国債の発行をあまり抑制しすぎるのは如何なものかとは思うのですが、恐らく財政出動に慎重な旧民主党の方達はそれでは共闘が難しいのでしょう。ですから「全国最低賃金同額」や「所得増加の施策」で共通項を作る事が出来れば、計量シュミレーションで消費税5%の場合に財源が足りるのかを調べ、不足があれば他の直接税の税率から見直しを検討すれば共闘できるはずです。手段からでは無く、目的の共有から手段を模索すれば道は見つかるのでは無いでしょうか?

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