原子力マネーのミカタ

2019年10月23日

関西電力の一件で「原子力村」「原子力マネー」の認知度は飛躍的に上昇したのでは無いでしょうか。

今日はこの原子力の錬金術を考察してみましょう。

まずはザックリと歴史から。

日本人ですから「原爆」はご存知ですよね。マンハッタン計画はどの程度の認知度かわかりませんが、原爆の実証実験をしたかったアメリカ。しかし2度の原爆投下後、人類は核兵器を戦争で使う事を避けています。ザックリ言えばこの技術を金儲けに転用したのが原発。そして核兵器開発自体も相変わらず金のなる木です。各地でいざこざを起こして、双方に武器を売る。

ICANの発表したデータによると

● 2014年1月から2017年10月にかけて、総額5,250億ドル(約55兆円)ものお金が核兵器製造企業に提供されていたことがわかりました。このうち1,100億ドル(約11.5兆円)は、ブラックロック、バンガード、キャピタル・グループのたった3社によるものでした。
● 24カ国329の銀行、保険会社、年金基金、資産運用会社が核兵器に少なからず投資しています。
● 核兵器の脅威の高まりにより世界20の核兵器製造企業が誰よりも利益を得ており、その多くがワシントンDCでのロビー活動の資金となっています。

日本からは、千葉銀行、三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャル・グループ、野村グループ、オリックス、三井住友フィナンシャル・グループ、三井住友トラストの7社(アルファベット順)が、20の核兵器製造企業に合計185億ドル以上(約1.9兆円)を提供していることがわかりました。

「核兵器禁止条約」日本が参加しない理由が何となく見えてきませんか?更に付け加えておくと私達日本国民も間接的に、非人道兵器開発企業に投資しています。それは私達の年金を運用するGPIFが、核兵器やクラスター爆弾を製造する会社の株式・債券を4000億程運用しているからです。ブラックロックに運用を任せればこうなりますよね・・・。

原発は電気ではなく金を生む

余談はこの位にして、話を原発に戻します。

皆さんは原発は発電コストが安いと信じ込んでいませんか?もしそれが事実であるなら、再稼働すれば電気代がかなり安くなるはずですよね?

出典:資源エネルギー庁

上図は電気料金の推移です。

オイルショックで2度料金が跳ね上がっていますね。その後、発電自由化、高圧電気小売自由化で少しずつ価格が下がっています。そして2011の震災後固定価格買取制度がスタート。その分が価格上乗せとなり電気料金は上昇に転じます。

ところであなたはこの図で、原発がどの辺りから導入され始めたかわかりますか?

第一次オイルショックより前、中曽根康弘と読売の正力松太郎が中心となり導入。オイルショックの翌年には、原発利権の為に電源三法を制定しています。うーん、これってグラフを見ても爆上げの時期と重なってる様な・・・。一応第二次オイルショック以降の原油価格の推移も掲載しておきます。

出典:資源エネルギー庁

交付金て幾らくらいなの?

経産省資源エネルギー庁が提示しているモデルケースがコチラです。20年間の表ですが、右端が各年度の交付総額です。

  • 下の表における項目
    • A = 電源立地等初期対策交付金
    • B = 電源立地促進対策交付金
    • C = 電源立地特別交付金 原子力発電施設等周辺地域交付金
    • D = 電源立地特別交付金 電力移出県等交付金
    • E = 原子力発電施設等立地地域長期発展対策交付金
    • F = 固定資産税
立地市町村等にもたらされる電源立地地域対策交付金や固定資産税[32]
年次事項ABCDEF合計
1年環境影響評価開始の翌年度5.2億円5.2億円
2年 5.2億円5.2億円
3年 5.2億円5.2億円
4年着工5.2億円20.3億円27億円52.5億円
5年 5.2億円20.3億円27億円13億円65.5億円
6年 5.2億円20.3億円27億円13億円65.5億円
7年 5.2億円20.3億円16億円13億円54.5億円
8年 5.2億円20.3億円16億円13億円54.5億円
9年 5.2億円20.3億円8億円13億円46.5億円
10年運転開始5.2億円20.3億円8億円3億円36.5億円
11年 8億円4.5億円2億円63億円77.5億円
12年 8億円4.5億円3億円54.1億円69.6億円
13年 8億円4.5億円3億円46.3億円69.6億円
14年 8億円4.5億円3億円39.8億円55.3億円
15年 8億円4.5億円3億円34.1億円49.6億円
16年 8億円4.5億円3億円29.3億円44.8億円
17年 8億円4.5億円3億円25.1億円40.6億円
18年 8億円4.5億円3億円21.6億円37.1億円
19年 8億円4.5億円3億円18.5億円34億円
20年 8億円4.5億円3億円15.9億円31.4億円

凄い金額ですよね・・・その為、間をおいて2号機、3号機と造るわけです。薬物中毒と同じで原発利権中毒はやめられない。そして交付金の原資は?勿論、電気料金に上乗せと政府からの資金注入です。また使用済み核燃料も実は「資産計上」されており、その分も交付金を引き上げています。本来はゴミであるはずの使用済み核燃料ですが、再燃サイクル施設を国内に保持しているだけで資産に計上する事が可能。つまり原発は造れば造るほど電気料金は増えるんですね。しかも311で壊れた原子炉の廃炉費用も電気料金に乗ってきます。

「えー、だったら新電力の会社に乗り換えようかな」と思ったあなた。それは正しい選択ですが、結局これらのふざけた負担からは逃れられません。発送電分離で発電は自由化されていますが、送電部分は当然既存の送電網を使います。この送電部分の料金にこれらの価格が含まれているのです。

結局、国民から吸い上げたお金を「電力会社幹部・地元有力者・地元受注企業・政治家・経産省官僚・官僚OB」などで分けているのです。

でも原発はコストが安いんでしょ?

よく言われますよね。本当でしょうか?

出典:資源エネルギー庁

確かに原発が安そうですね・・・しかし実はトリックがあります。原子力発電には必須の「揚水発電所」や「再燃サイクル施設」の費用が計上されていません。更に電気料金に上乗せされた費用は加算されていますが、政府の資金投入分は加味されていません。実際にこの中で一番コストが安いのは水力です。原発は石油よりは安いですが、その他のものより実際には割高と言って差し支え無いでしょう。

ここから逃れるには・・・

解決策としては自家発電しか無いでしょう。テスラが長寿命・大容量のバッテリー開発にある程度成功している様なので、市販されれば現実的です。

ただ現状でも、太陽光発電と電気自動車や蓄電池で賄う事は可能です。日照時間の短い時には、充電スポットで充電して家の電気として使う事も可能ですから。多くの家庭で自家発電ができれば災害リスクの分散にも繋がります。

日本全体で見れば、日本の風土を踏まえて地熱や潮力などもっと自然エネルギーに比重をかける事が理想だと思います。地熱や風力などを電力の柱としている国も、先進国には実際ある訳ですから。

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