デフレ脱却の為に必要な事は「需要の拡大」です。では何故需要が拡大しないのか?所得が減っているからです。この家計の所得を増やす(つまりマネーストックを増やす)施策が不可欠なんですね。これには企業が賃金を上げる、投資を増やすなどが起こると良いのですが、現実には法人税減税によって賃金や投資に廻すよりも、配当や内部留保を増やす方が得になった為、普通に起こらないでしょう。
そうなると政府が財政出動をするのか、消費を喚起する為に消費減税をするか何かしらの財政政策が必要となります。こちらも現政権は真逆の事をやっています。財務省の圧力が凄いのでしょう。
では日銀が行っている量的緩和とは何でしょう?これは市中銀行が保有している国債を日銀が買い取る事で、市中銀行の日銀当座預金残高を増やしているんですね。この流れをそれぞれ見ると
市中銀行・・・日銀から国債代金を自行の日銀当座預金に入金して貰う。プラス
日本銀行・・・市中銀行から国債を受取り国債代金を払う。プラスマイナスゼロ
つまり市中銀行の日銀当座預金を増やす事で、これを準備預金として企業や個人への貸付などが増えれば景気が良くなるだろうと思ったのでしょう。しかし実際はマネーストックではなく、マネタリーベース(紙幣+貨幣+日銀当座預金残高)が増えただけでした。つまり家計には影響がなく、ただ日銀当座預金がブタ積みされただけだったんですね。
※準備預金は市中銀行が貸し出しをする際、その額の1%弱を日銀当座預金に入れておく義務が法律で決まっています。