お金とデフレのミカタ

2019年10月28日

お金と言うと「紙幣」「硬貨」をイメージする方が多いでしょう。実際には小切手や預金など他にも色々あるんですね。実際マネーストック(紙幣や預金)M3は1300兆円超えですが、発行されている紙幣は100兆円程度しかありません。つまり皆が一斉にお金をおろそうとしても、紙幣はその10分の1もないわけですね。

で「日銀の金融緩和でお金がジャブジャブだー」などと言う場合は、日銀当座預金が増えているんですね。ジャブジャブと言っても「紙幣」がガシャガシャ輪転機で刷られているわけではありません。キーボードで数字を打ち込むだけなんですね。

ではなぜ紙幣を刷らないのでしょう?理由は簡単で利便性です。

音楽もCDよりもデジタル配信の方が、配信者も利用者も便利ですよね。紙幣はCD、預金はデジタル配信です。

何故金融緩和でデフレ脱却できないのか?

デフレ脱却の為に必要な事は「需要の拡大」です。では何故需要が拡大しないのか?所得が減っているからです。この家計の所得を増やす(つまりマネーストックを増やす)施策が不可欠なんですね。これには企業が賃金を上げる、投資を増やすなどが起こると良いのですが、現実には法人税減税によって賃金や投資に廻すよりも、配当や内部留保を増やす方が得になった為、普通に起こらないでしょう。

そうなると政府が財政出動をするのか、消費を喚起する為に消費減税をするか何かしらの財政政策が必要となります。こちらも現政権は真逆の事をやっています。財務省の圧力が凄いのでしょう。

では日銀が行っている量的緩和とは何でしょう?これは市中銀行が保有している国債を日銀が買い取る事で、市中銀行の日銀当座預金残高を増やしているんですね。この流れをそれぞれ見ると

市中銀行・・・日銀から国債代金を自行の日銀当座預金に入金して貰う。プラス

日本銀行・・・市中銀行から国債を受取り国債代金を払う。プラスマイナスゼロ

つまり市中銀行の日銀当座預金を増やす事で、これを準備預金として企業や個人への貸付などが増えれば景気が良くなるだろうと思ったのでしょう。しかし実際はマネーストックではなく、マネタリーベース(紙幣+貨幣+日銀当座預金残高)が増えただけでした。つまり家計には影響がなく、ただ日銀当座預金がブタ積みされただけだったんですね。

※準備預金は市中銀行が貸し出しをする際、その額の1%弱を日銀当座預金に入れておく義務が法律で決まっています。

何故貸し出しが増えないの?

これは賃金の低下で、国民の消費意欲が冷え込んでいるからです。そこに年金問題や増税で更なる追い討ちをかけている訳ですから、個人消費は低迷したまま。つまり需要が伸びない→企業は投資できない→企業減税→内部留保増加→国の税収減少→PB黒字化の為に増税→個人消費低下→・・・このスパイラルです。

もし本当にデフレ脱却を目指すのであれば、消費税の廃止と少なくとも毎年20兆円規模の国債を増発し全国的なインフラ整備(国土強靭化)を実施すべきでしょう。と同時に抜本的な税制の見直しが必要です。

しかし現政権はデフレ脱却など望んでいないのは明らかで、インフレになって富裕層の資産が目減りするよりデフレの方が良いと本心は思っているのでしょう。

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