• 木. 12月 26th, 2024

自国通貨建国債のミカタ

「自国通貨建国債のデフォルトは有り得ない」と言う話が、どうしても理解できない方が結構いらっしゃる様なので今日は簡単にご説明を。

乳牛を育てミルクを売る農家のお話で・・・

自国通貨建国債で財政出動のプロセスとは、自前の牛でミルクを作り売って農場を整備・拡大する様なものです。新たに牛を増やし規模を拡大すると、更にミルクが増加し農場が大きくなると言う事です。この場合ミルクの需要がある範囲内で牛の数や農場規模は増やせます。

[翻訳]

自国通貨建国債で財政出動のプロセスとは、円で調達した日本国債(自前の牛)で日銀当座預金(ミルク)を作り、その預金で公共事業等(農場の整備・規模拡大)を行う様なものです。新たに国債を発行し発行残高を拡大させると、経済規模が拡大すると言う事です。この場合、インフレ率の適正な範囲内で国債は増やせます。

外貨建国債の場合、牛はレンタルです。ミルクの生産量を増やすには更に牛をレンタルする必要が有ります。ところがレンタルなので必ず返す必要があります。「もう貸さない。今貸してる3頭も期限が来たから返してくれ」と言われたらどうでしょう?困りますよね。

[翻訳]

外貨建国債の場合、ドル等で調達した日本国債(レンタルした牛)です。これ期限が来て返済する(つまり牛を返す)と預金(ミルク)も生まれず、公共投資(農場の整備・規模拡大)もできません。レンタルを繰り返せる内は良いのですが、レンタルできなくなると廃業しちゃいますよね。

それを踏まえて今の日本は・・・

日本の場合、自国通貨建で国債の保有者も90%が国内です。つまり上の「自前の牛」のパターンです。余程マヌケな経営者で無い限り破綻は有り得ません。ですが今の政権は、牛(国債発行残高)を増やしミルク(日銀当座預金)は増やしましたが、何故かそれを冷蔵庫にブタ積みです。財政出動をしないんですよね。当然農場は環境が悪化しますし、規模(GDP)も変わりませんから生き辛くなりますよね。

現状の日本で考えれば「災害対応」「インフラ再構築」「教育」「医療」「介護」「基礎研究」「貧困」「格差」「少子化対策」「地方の衰退」などなど政府が積極的に支出すべき分野は溢れています。F35やトウモロコシ、吉本、お友達企業、竹中平蔵近辺、トヨタや三菱、そしてアメリカ・・・そんな所に無駄金ばら撒いている場合ではないのですよ。

出典:IMF

マトモな財政出動をしない為、GDPはずっと横這いです。こんなマヌケな国はそうそう有りません。マネタリーベースをひたすら増加させ、マネーストックは置き去りにしています。市中銀行から国債を買い漁っても、結局それだけでは「実際の生産活動」「実際の経済活動」には何の影響も無いのですよ。

この通り建設国債(ブルー)は増えていません。発行した国債は生産活動の原資とは成らずに、金融サイドに流れただけです。

出典:日銀データより三橋氏作成

この通り日銀当座預金はブタ積みなのですよ。

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