倒産件数のミカタ

2019年11月6日

消費増税が実施されたわけですが、ネットやテレビで閉店・倒産・売上減のニュースがよく見受けられます。特にこの年末、来年はかなりの倒産件数が予想されます。ところで発表される「倒産件数」、見ていて実感とズレがあるなぁと感じる事はありませんか?その感覚、おそらく正解です。どういう事でしょう?

倒産件数の正体

例えば2018年の企業倒産件数は8235件(東京商工リサーチ)。10年連続で倒産件数減少!スゴイですねぇ。グラフで見てみましょう。

出典:東京商工リサーチ

安倍政権サイコー!などと騙されてはいけません。実はこれ「法的整理」という会社更生法によって廃業した件数だけなのですね。ホントに余力のない企業の場合は、私的整理や夜逃げ、酷ければ首を括る様なケースもあるわけです。これらは「企業倒産件数」には含まれません。では休廃業・解散件数を見てみましょう。

この5年で40%程度増加しています。しかも数字に注目して下さい。先程の2018年の倒産件数8,000件に対し、2018年の休廃業・解散件数は46,000件です。桁が違います。現政権下では日常的に、この様な印象操作が行われています。都合の良い部分のみ公表したり、抽出方法を変えたり、改竄までするわけですから常に一次データに当たる習慣を付けましょう。

休廃業・解散は何故急増しているの?

これはデフレが続いている事、中小零細企業に厳しい政策、それに伴う後継者不足などが主な原因です。今の政府がしている事、それは「自国民や中小零細企業・フリーランスへの経済制裁」に他なりません。

かつて日本は技術大国と呼ばれていました。それは他国に比べ桁違いに多い中小零細企業の高度な独自技術に立脚したものです。その日本の強みを破壊し、技術力や供給能力を毀損してきたのが今の政治です。

以前にもこのブログで紹介しましたが、日米中のGDP推移です。

この18年間で中国は10倍以上、アメリカは2倍以上にGDPを伸ばしています。対する日本は辛うじて1倍です。つまり全く成長していません。

現在の各国の債務残高(対GDP比)は

中国・・・約7000兆円(約50%)

アメリカ・・・約2400兆円(108%)

日本・・・約1100兆円(236%)

これだけ見ると「日本は借金増やしてけしからん!」という人がいるわけですが、では日本と同じで2000年のGDPのまま成長していなかったらどうでしょう?各国の政府債務対GDP比はこうなります。

中国・・・500%オーバー

アメリカ・・・220%オーバー

つまり何が言いたいかと言えば、政府債務を増やした事ではなく経済成長していない事が問題なのですよ。20年以上デフレを続けているのは、明らかに政府の経済政策が根本的に間違っているという事です。

どうすれば良いの?

そもそも日本は内需国です。ですからGDPを上げるには、前提として国内の消費を活性化する必要が有ります。その為の施策を打たずに、輸出大企業に向けた優遇策ばかりを施しています。更にその「優遇」の為のコストを国民や中小零細企業に丸々転嫁しているのです。当然内需は細り、GDPはジリ貧です。その一方、少子高齢化は進み歳出は増えますから、必然的にPBは悪化します。(そもそも日本に於いてPB黒字化にさしたる意味など無いのですが・・・)。

ここで人のリアクションは2つに分かれます。

  1. 「増税して歳入を増やし、年金や公共事業など歳出を削らなければ」と思う人。
  2. 「経済成長させれば税収が増える。だからデフレ下では政府支出を積極的にし景気を上向かせるのが先決だ」と考える人。

今の政府や経団連、一部の野党は1ですね。こんな事を20年以上やって、まだ学ばないわけです。増税しても歳入は増えていませんからね。現実を見ましょう。

正解は2です。これは明らかです。実際、景気が低迷している時に増税するバカは、世界的にも珍しいです。普通ならそんな事すれば、大規模デモか政権が吹っ飛びます。

まずは減税。そして建設国債の発行で全国の治水や災害予防措置に支出を行う事です。それが「国富」であり「次世代へのプレゼント」になるのですよ。その支出は民間企業から個人の資産へと形を変え、個人消費を底上げします。企業や個人の利益が増えれば、税収も増加します。景気が加熱してくれば、政府は支出を絞り場合によっては増税を検討すれば良いのです。

最後に一言

経済を成長させてから、税収を見直すというのは「パンツを穿いてズボンを穿く」という事。増税して、経済を立て直そうというのは「ズボンを穿いて、その上にパンツを穿く」という事。順番を間違えると「とんだ笑い者」になる事を緊縮財政信奉者は肝に銘じる必要がありそうです。

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