大企業消費税の還付?

2020年1月28日

消費増税で10%になり4ヶ月になります。予想通り、いやそれ以上に景気悪化が統計に表れています。税収も当然ですが伸びません。

企業には様々な消費税還付のスキームがありますが、今日は消費税の話で、ちょくちょく話題に出る「輸出企業は消費税の還付で得をしている」という言説です。まず教科書通りに世の中が動くのであれば得はしません。何故なら消費税は「最終消費者」が支払う物で、企業にとっては預かり金だからです。言い換えれば「消費税を預かる」という行為の無い人が最終消費者であり、税を負担する必要があるわけです。

「得をしない」と訴える税理士の方など多いですが、この言い方がミソです。正確には「損をしない。税を免れている。」というのが正確でしょう。

私達の日常生活で考えてみましょう。

メーカーがショップに税込5500円で靴を売りました。ショップはその靴を11000円であなたに売りました。この場合あなたはショップに1000円消費税を払い、ショップはメーカーに500円消費税を払っていますね。ではこの場合、国の税収はいくらでしょう?

あなた→消費税1000円をショップに払った。(※国ではありません)

ショップ→あなたから受け取った1000円から、メーカーに払った500円を引いた差額500円を消費税として国に納めた。

メーカー→ショップから受け取った消費税500円を国に納めた。

つまり国内の最終消費者である「あなた」が払った1000円が、メーカーとショップからそれぞれ500円ずつ国に納められたという事です。ここで国が「あなた」に消費税を還付すると何が起こるでしょう?ショップとメーカーは消費税を500円ずつ(計1000円)国に納めました。しかし「あなた」は国から1000円還付を受けました。つまりこの一連の経済活動による国の税収は0、無税という事です。おかしいですよね。

この一連の経済活動による利益は、消費税が有ろうが無かろうが同じです。ところが同じ利益で有りながら内需であれば国の税収は1000円、外需なら0円。

消費増税+外需拡大しても税収は増えないのです。更に法人税も下げる訳ですからもう支離滅裂です。

実情はもっと酷いです

「プラスマイナス0」なら少なくとも得をしてないから、悪くないんじゃないかと思われる方もいらっしゃるでしょう。実態はもう少し悪質です。

それは取引先とのパワーバランスから発生する不正な価格転嫁です。これは輸出企業に限った話では有りませんが、消費増税後は消費者の購買意欲が下がります。その場合に利益を確保するには、実質値引きをして税込額を増税前と同じにしたりする訳です。マクドナルドなどコレをやった企業が有りますよね。自社でその差額を被るなら良いです。しかし実際には多くの場合、仕入先に圧力を掛け被らせるのです。

増税や原価高騰は仕入先への圧力を誘発します。増税前108万円(税込)で納品していた物を増税後も同額にさせる、つまり実質的値引きを強要するという事です。

上図では中小企業が圧力を受け差額を被ったケースです。不思議な事が起こります。圧力を受けた中小企業は増税前より利益が4減少しています。一方で大企業は還付金が4増え、トータルの利益は増税前より増えています。

トランプも批判

この還付金はトランプにも批判されています。実質的な補助金ですから当然です。国際競争力を言い訳に、国民や内需産業を足蹴にしてトヨタなど自民党への高額献金先を利する施策に邁進する事で、国内経済は細り続けています。

同じ経済活動で最終的な利益が同じでも、外需なら一切国の税収に寄与しない。私はPB黒字化など何の意味もなくただの害悪だと考えていますが、緊縮を唱える与党や一部野党は内需拡大に注力し外需優遇を直ちに辞めなければ話の筋が通りません。

消費税見直しの際には、還付金制度についても見直しをして頂きたい。

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