• 木. 11月 21st, 2024

「安全保障」と聞くと皆さんは何をイメージされるでしょう?防衛や軍備などが頭に浮かぶ方、多いのではないでしょうか。確かに現在の政府に於いては、その分野で使われる事が多い言葉ですね。これは別の機会に記事にします。現在の世界の実情としては、軍事的圧力よりも経済的圧力の方が効果的で低コスト低リスクと言われています。当然ですね。

今回はその「経済安全保障」を見ていきたいと思います。

 

食糧安全保障

まずは食料を見ておきましょう。

食料自給率とは、その名の通り食料を自国でどの程度賄えているかを表すものです。現在の日本の食料自給率は38%程度(カロリーベース)です。かなり少ないですよね?有事の際、海外からの食料供給がストップすれば大変な事になります。では生産額ベースではどうでしょう?生産額で見た自給率は66%です。つまりグリホサートまみれ・遺伝子組み換えの小麦やコーン、ホルモン漬けにされた牛肉など、世界で引取り手のいない食品を大量に安く受け入れているのが日本です。自国内でも無農薬や低農薬で遺伝子組み換えではない安全な食品を作る農家の方々を、国は冷遇しています。

出典:農林水産省HPより

農水省のHPに1997年〜2013年の各国食料自給率があったので掲載します。同じ島国のイギリスやオーストラリアを見れば分かりますが、食料自給率は高いです。これは自国の安全保障や国民の健康の為に必要であるからです。オランダやスイスは低自給率ですが、小国で農業大国と隣接している為、状況が全く異なります。

種苗法や種子法廃止など現政権は遺伝子組み換えや薬剤大量使用を推し進めています。日本の食糧安全保障を政府が脅かす現状に不安を覚えます。

経済安全保障

日本は経済安全保障が脆弱だと言われます。2020年4月から内閣の国家安全保障局(NSS)に経済安全保障を担当する「経済班」が設置されます。

「経済安全保障???」という方でも「経済制裁」や「経済戦争」という言葉は耳にしますよね。先程の「食品安全保障」もこの「経済安全保障」の一つです。

ザッと紹介すると

  • 輸出入制限
  • 金融・投資制限
  • 技術取引制限
  • VISA発給制限
  • 税制
  • 不買・資産凍結など

昨年、韓国に対してやりましたよね。

日本もアメリカや中国からやられた際に、耐えられるだけの備えが必要です。今回の中東問題などではエネルギー問題としてすぐに日本に影響が出ます。そういう意味でも万が一の場合に備えて、切れるカードを準備しておく必要があるのです。日米FTAではこれらのカードを半分アメリカに握られた状態にされているわけです。つまり「非経済安全保障である軍備・防衛力」も「経済安全保障」もアメリカに握られているという事です。

日本は過去にオイルショックを2度経験しているのですから、エネルギーは様々なチャネルを維持しなければなりません。2004年にはロシアがウクライナへの天然ガス供給をストップした事で、ウクライナ経由でガスを輸入していた欧州各国はパニックに陥りました。現在欧州各国は再生可能エネルギーへの転換がかなり進んでいます。日本も見習うべきでしょう。経験から何も学ばないというのは非常に恥ずかしい事です。

原発は最終処分の問題、防災対策の問題、海水温上昇要因、何よりテロ等のターゲットとされやすい等「安全保障」をトータルで考えた場合、消極的に成らざるを得ない選択肢です。また生産コストが安いと言われますが、現実には付属施設が多く必要でありそのランニングコストを含めると大して安いエネルギー源ではありません。

国家の安全保障とは

現在の日本の状況を見れば、アメリカに依存しているのは明らかです。

本当に安全保障を考えるのであれば、対米自立の軍事力も必要ですし、経済的自立(特に食料とエネルギー)も必須です。その上で近隣友好国とのパートナーシップを外交努力によって構築する必要があるのです。天然資源が豊富とは言えない日本において、現状のままでは国際競争力も毀損され続けるでしょう。

アメリカの属国で居続けるのか、中国の軍門に下るのか、それとも自らの脚で立つのか決めるべき時期が刻々と迫っています。

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