この映画には「行き過ぎた格差社会」「障害者差別」「失業」「労働環境問題」「パワハラ」「福祉切り捨て」「緊縮財政」「人間の尊厳」「貧困」「暴力」など様々な物が描かれています。
あらすじ
コメディアン志望の主人公アーサーはトゥレット症候群という病気を持ちながら、年老いた母親と暮らしています。街は緊縮財政で福祉や医療の切り捨てを行い、アーサーも薬やカウンセリングを打ち切られてしまいます。ある日、街角で閉店セールのちんどん屋としてピエロの姿で働いていると、ストリートチルドレンに看板を壊され暴力を振るわれてしまいます。同僚は護身用にとアーサーに拳銃を持たせました。アーサーの上司は壊された看板を弁償しろと迫ります。
ある日、アーサーが小児病院でピエロの仕事をしていると携帯していた拳銃を落としてしまいます。その事で仕事をクビになり、しかも拳銃を渡して来た同僚が “アーサーが拳銃を欲しがっていた” と上司に嘘をついた事を知ります。失意と怒りの中、地下鉄で家路に就いたアーサーは車内で3人の男に絡まれた女性を目撃します。病気のせいで笑ってしまったアーサーは男達に袋叩きにあい、アーサーは思わず発砲してしまいます。彼等を射殺し彼の中で何かが変わってしまいます。我慢や抑圧して来た感情から解き放たれていくのでした・・・
前半はこんな感じで、その後自身の生い立ちや母親のついていた嘘、母親の殺害、憧れていたコメディアンとの諍い、そして生放送での殺害。街に充満していた不満のガスに、アーサーの発言と行動が火を点け、街は暴動の嵐となりました。そして彼は暴動のヒーロー「ジョーカー」となるのでした。
ザックリ言うとこんな感じです。しかし全体を通じて現実と妄想が入り乱れています。最終的に全てアーサーの妄想だったのでは?とも思わせる様な作りになっています。