• 金. 4月 26th, 2024

税はどこに掛かる?

消費税はどこに掛かるでしょう?・・・これは「売上総利益」に対してです。そこから人件費や投資、交際費などを引いた残り「税引前当期純利益」に対して法人税が掛かります。そして最終的な「当期純利益」から株主への配当が発生します。損益計算書で確認してみましょう。

消費税は間接税で最終消費者が負担するわけですから、普通に国内販売であれば消費者が負担して、企業はそれを預かり納税するわけです。それも年数回に分け見做しで納付ですから、回収サイクルを勘案すれば中小零細には圧力が強いですね。還付金についてはコチラの記事で書いたので今回は割愛します。

法人税は消費税と違い「人件費を引いた後の利益に掛かる税」です。つまり法人税が高ければ、「税引前当期純利益」を少なくした方が得をする可能性が高くなります。人件費や投資、交際費などを増やす事を後推しするわけですね。

よくそんな事をしたら企業が海外に逃げるとか、税収は増えないとか言う意味不明な方がいますが、相対的に法人税が高かったアメリカで海外へ逃げる企業はいませんでしたし、安倍政権下で法人税を下げている日本では、逆に資本が海外へ移転しています。私は大学のゼミで「企業の現地化」をテーマに論文を書きましたが、当時でも企業は法人税率で進出先を選んではいませんでした。「本社機能だけ海外に移す」などと言う方もいますが、そう言う思考であればとうに移転しています。

法人税を下げる事の最大のデメリットは、当期純利益を残せば残すほど株主へ配当を出せると言う事です。その為にはコストカットを最大化する事になります。これはつまり「従業員の利益」と「株主の利益」が相反すると言う事を意味します。

「会社は株主のもの」と言う考え方が有りますが、その一方で「従業員は労働者であり消費者でもある」と言う言葉もあります。確かフォードの言葉でしたかね?

つまり株主優先に偏りすぎれば、社会全体では消費者の購買力が下がり、結果としてデフレが進行する事に繋がります。現在の日本の状況はまさにコレです。

消費税 増・・・国民マイナス/輸出大企業プラス/中小零細資金繰りマイナス

※余談ですが派遣は正社員と違い、課税仕入(売上原価)に含まれます。企業が正社員より派遣を選ぶ理由の一つですね。

法人税 増・・・国民プラス/企業マイナス/株主マイナス

格差拡大は実体経済の縮小

多くの国民の所得が目減りし、購買力が低下すれば当然実体経済は縮小します。金融緩和でマネタリーベースは潤いましたが、マネーは家計部門へはあまり流れませんでした。それどころか増税で逆に吸い上げられた感が強いでしょう。結局、株主の利益を最大化すれば金融市場への資金流入が増え、実体経済が投資不足に陥るのです。

国民全体の利益(幸福度・満足度)を最大化するには、実体経済の充実は不可欠です。生まれた利益が実体経済に再投資される、正のサイクルを目指すべきなのです。

その為に、消費減税・法人増税を国民が主張する事が大切です。その為にも一人一人が税や経済についてのリテラシーを高めなければ、経団連や財務省、無知な政治家達に言いように搾取されてしまいます。

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