法人税は消費税と違い「人件費を引いた後の利益に掛かる税」です。つまり法人税が高ければ、「税引前当期純利益」を少なくした方が得をする可能性が高くなります。人件費や投資、交際費などを増やす事を後推しするわけですね。
よくそんな事をしたら企業が海外に逃げるとか、税収は増えないとか言う意味不明な方がいますが、相対的に法人税が高かったアメリカで海外へ逃げる企業はいませんでしたし、安倍政権下で法人税を下げている日本では、逆に資本が海外へ移転しています。私は大学のゼミで「企業の現地化」をテーマに論文を書きましたが、当時でも企業は法人税率で進出先を選んではいませんでした。「本社機能だけ海外に移す」などと言う方もいますが、そう言う思考であればとうに移転しています。
法人税を下げる事の最大のデメリットは、当期純利益を残せば残すほど株主へ配当を出せると言う事です。その為にはコストカットを最大化する事になります。これはつまり「従業員の利益」と「株主の利益」が相反すると言う事を意味します。
「会社は株主のもの」と言う考え方が有りますが、その一方で「従業員は労働者であり消費者でもある」と言う言葉もあります。確かフォードの言葉でしたかね?
つまり株主優先に偏りすぎれば、社会全体では消費者の購買力が下がり、結果としてデフレが進行する事に繋がります。現在の日本の状況はまさにコレです。