今回の件で玉木氏を批判する声があがっています。「野党が塊になる事が大事だ。これでは自民党が喜ぶだけだ」そんな発言も見受けられます。しかしこれ、明らかに間違っていますよね。安倍内閣の支持率は下がり続けていますが、政党支持率では野党を束ねても自民党には到底及びません。もし野党が塊になれば自民党を凌駕する状況ならば、塊になる事が一番重要とも言えるでしょう。しかし現実は、野党の支持率は増えていないのですよ。立候補者が被らないだけで勝てる程、甘い状況では無いでしょう。
喩えは悪いですが「10人の敵と対峙した時に、手ぶらの5人で勝てるのか?」という話です。ではその5人がマシンガンを持てばどうでしょう?
つまり現状で塊になるだけでは勝ち目は無いのです。それ程、民主党時代に信用は失われてしまったのです。しかもその総括もせずに再集結では・・・。ですが例えば「消費税廃止」というマシンガンを持って塊になるなら、政権交代の芽はまだ残るだろうという事です。実際には自民党側が消費税減税というピストルを手にしそうな情勢ですが。
もしプラグマティックに考えるなら、「消費税廃止」など国民生活に直結しイメージし易い旗で野党共闘する事がチャンスを最大化できるでしょう。それでもイデオロギーにしがみ付き「減税」すら口に出来ない野党ならば「寝言は寝言のまま」で国民が救われる事は無いでしょう。結果、DV政府に減税という絆創膏を1枚だけ貼られ、また国民はDVを受け続けるのです。野党側が「DVはダメだ。治療をしましょう」と明言出来なければ、支持率を上げる事すら困難でしょう。
左に寄りすぎると柔軟性を失う方が多くなる印象ですが、実利を考えれば数多ある主張の1つを時限的にでも引っ込める気概が欲しいものです。「肉を切らせて骨を断つ」、自分だけは少しも血を流したく無いという思いが、結果的に負け戦を招いている事に気付いて欲しい。政権交代しない限り、理想や理念は「絵に描いた餅」でしかないのですから。