• 木. 10月 10th, 2024

開催を阻止したい人々

今回の都知事選、これまでの都知事選と明らかに違う異様な点があります。それは主要メディアで「候補者による討論会」が一度も開催されない事です。

開催されなければ投票率の押し上げもなく、結果的に組織票を持つ現職有利となります。つまり小池氏からすれば選挙関連の露出が減れば減るほど良い状況という消極的戦略となるわけです。

小池陣営、および自民党から電通を通じて在京キー局に「討論会は開催しない」という圧が掛かっている可能性が大であろうと推察されます。実際、宇都宮氏が在京キー局に開催を打診していますが、山本氏・小野氏の元にオファーの連絡すら届いていないとの報道があります。コレっておかしいですよね。複数の局に打診すれば出演意思を確認する連絡は必ずあるはずです。それが1社もオファーを出していない。つまり各局の統一見解として「開催しない」という話が決まっていたという事でしょう。

2016年の苦い思い出

テレビ局側としても「討論会」は視聴率を見込めるコンテンツのはずですが、実は2016年に問題が起きておりそれも少なからず影響しているのかもしれません。

それは主要候補者のみでの討論や、主要候補者ばかりの報道に対する反発が原因です。討論会に参加できなかった候補者が苦情を訴え、テレビ報道についても主要候補者との扱いの差が放送法第13条違反だとして抗議しています。

結果、その他泡沫候補と言われる人々の放送時間も確保する必要に迫られました。損害賠償請求も視野に入ってくる事案なので、放送局としても神経を使う必要があります。

ネットでの開催

地上波がやらないのであればネットで、とこの週末に2度討論会が開催されました。主要候補に対する10の質問は、投票材料として分かりやすく良かったですね。討論会の重要性がよく分かります。

choose life project様の討論会での結果は以下の通り。

(1) 東京の新型コロナ・感染者の抑え込みはうまくいっている?
山本:× 宇都宮:× 小池:〇 小野:×
(2) コロナなどで済む場所を失った人に住まいを提供する?
山本:〇 宇都宮:〇 小池:〇 小野:〇
(3) 東京オリ・パラの開催に賛成?反対?(賛成:〇 反対:×)
山本:× 宇都宮:× 小池:〇 小野:〇
(4) 同性パートナーシップ制度の導入に賛成?反対?(賛成:〇 どちらともいえない:△ 反対:×)
山本:〇 宇都宮:〇 小池:△ 小野:〇
(5) 東京にカジノを誘致する?(賛成:〇 どちらともいえない:△ 反対:×)
山本:× 宇都宮:× 小池:△ 小野:〇
(6) 築地の地元経済は、守られていると思う?
山本:× 宇都宮:× 小池:〇 小野:×
(7) 都立病院の地方独立行政法人化の方針に賛成?反対?(賛成〇 反対×)
山本:× 宇都宮:× 小池:〇 小野:〇
(8) 罰則付き「ヘイトスピーチ禁止条例」の制定を目指す?
山本:〇 宇都宮:〇 小池:× 小野:×
(9) 原発は、重要なベースロード電源?
山本:× 宇都宮:× 小池:△ 小野:〇
(10) 水道の民営化を進める?
山本:× 宇都宮:× 小池:× 小野:〇

コレを見ると山本氏・宇都宮氏は財源論以外は共通点が非常に多く、共に底上げに注力しようとしている事が分かります。つまり都民寄りの政策です。現職小池氏は所属する日本最大の右翼団体「日本会議」の代理人という印象です。多様性の容認や差別反対に対し消極的で派手な儲け話には積極的という感じでしょうか。小野氏は見た感じ好青年ですが、こうして回答を見てみるとゴリゴリのネオリベですね。「小さい政府」を望み行政の関与を出来るだけ小さくしたい人物が、このコロナ禍の都知事に立候補というのもよく分かりませんね。民営化や独立行政法人化、カジノ誘致など今推進するような話ではありません。

テレビはオワコンなのか

若者のテレビ離れは加速していますが、やはり積極的に投票へ足を運ぶ層は「オールドメディアが情報源」という人がまだ多いでしょう。そうした人達が候補者を目にする機会は極めて少ないです。実際、現職の小池氏は毎日コロナの報告でメディアに出ます。しかし他の候補者はほとんど取り上げられません。これが公平な状況でしょうか?実質独占企業である電通。メディアを牛耳っており、現在の安倍政権とも深く絡み合っています。そして官僚の天下り先として各省庁との繋がりも・・・。彼等にとっては今のやりたい放題な状況を維持したいというのが本音でしょう。

他の先進国ではメディアの信頼度は30%程度と言われますが、日本では未だに70%近くあるという声も聞きます。1つの企業が世論を誘導できる状況がこのまま続けば、世代交代と共にオールドメディアの駆逐、自然淘汰は訪れるでしょうが、その前に国民の生活が音を上げる可能性があります。

「検察庁法改正案」を止めたのはネットの力です。今回の都知事選、オールドメディアに対する挑戦とみる事もできます。ネット上では小池氏を支持する声はほぼほぼ見かけません。しかし主要メディアの報道や世論調査は小池氏圧勝です。実際、蓋を開けて見た時に小池氏圧勝なのか、接戦なのか、逆転なのか楽しみです。もし圧勝でなければ、オールドメディアの衰退が着実に進んでいるという証明になります。

今回の都知事選は都民の意識を確認できると同時に、ネットvsテレビという構図でも楽しめそうです。

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