政治に関心を持ち始めると、多くの人は支持する政治家というのが出てきます。主義主張や描く未来像、実際の活動など共感できる部分の多い人を支持する様になるでしょう。
政治家のファンではいけない
世の中に100%自分と思考が合致する人など居ません。そう考えると、どんなに共感できる政治家であっても当然共感出来ない主張も出てきます。もし政治家のファンであるとこれに対し「NO」と言えないケースが懸念されます。もしくは自身が抱くイメージと違う行動に対し一気にアンチに廻るケースもあります。こうした行動は国民の分断にも繋がるので注意が必要です。
つまり100%自分の主張を訴えたければ政治家になるしかない訳です。しかし多くの人にとってそれはハードルが高い。だから国民の代理である政治家に、自身の主張の何割かでも実現して貰う為に支持するのです。その為にもファンではなく、ケツを叩き監視する意識が大切です。
政党はレストランの様なもの
政党を支持する人もいれば、政策を支持する人もいます。私は政策で見る事が大切だと思っています。
政党はレストランの様な物だと私は考えます。
店主(党首)がコンセプトを決め、様々なメニュー(政策)を用意する。賛同した正社員(議員)とアルバイト(立候補者)で店を廻し、顧客(支持者)を増やしていく。
具体的にれいわ新選組の大西氏問題の顛末に被せて見てみましょう。
「山本氏という人物が、オーガニックをコンセプトにしたレストランを実現する為に、自らオープンに漕ぎ着けます。地産地消や無農薬、適正価格を守った厳選メニューを用意しました。それに賛同した従業員が揃い、店は繁盛し顧客も順調に増えアルバイトの内2人が正社員になりました。コンセプトに賛同したヘルシー志向の顧客の支持を得た様に見えました。ところがある日、アルバイトの一人が『原材料費が高騰すれば遺伝子組換えの材料も使うしかない』とSNSに投稿しました。これはレストランのコンセプトを根底から覆す発言です。これにより様々な方面からレストランへの誹謗中傷が起こりました。話し合いの結果、アルバイトの人物は解雇されましたが、その対応についても店主は攻撃を受ける事となりました。イメージダウンしたレストランから顧客は去って行きます。結局残ったのは、コンセプトとお気に入りのメニューを目当てに通っていた顧客と、店主や従業員の人柄に惹かれた顧客だけでした。」
ここで重要なのは「メニューは変わっていない」「材料も現実には何も変わっていない」「コンセプトもそのまま」という事です。では何が変わったのでしょう?その「変化」とは顧客が勝手に抱いていた「こうあってほしい」というイメージと、一連の出来事のギャップが生み出した物です。
例えばスターバックスを見ても判りますが、人種差別や軍需産業との繋がりや原材料に関する様々な噂が有ります。私は味もコンセプトも好みではないのでほぼ行きませんが、それでもあの味が好きな人は通い続けます。求めているのが「そのコーヒー」だから。そういう人はコーヒーの品質が保たれていれば、簡単には支持を辞めません。
政治も同じで、「反緊縮」とか「殺処分ゼロ」とか「教育無償化」とか自分にとってマストな政策を意識していれば、デマやスキャンダルに右往左往する有権者にはならずに済みます。
「他には無いこのメニューが好きで支持してる」
こういう意識で政治を見て、支持する政策を掲げる「政党」や「政治家」を応援する事が大切です。支持できなくなれば、他に支持できる人を見つけ速やかにそちらをポジティブに支持すれば良い。いつまでもぶら下がって誹謗中傷やデマで足を引っ張り続けても、社会の分断に加担するばかりで良い効果など一つも有りません。
批判は「今後も支持する」のであればとても大切な行為です。しかし「支持を辞める」のならただ離れれば良い。でなければ「批判」ではなく「批難」にしかなり得ません。
「自分の支持する政策を実現してくれそうな政治家や政党を、「支援」「批判」「監視」する事」が大切です。自分がどんな社会を望んでいるのか?をまずはじっくりと自分自身と向き合う事が重要です。