• 木. 11月 21st, 2024

最近竹中平蔵の「BI発言」や「財政均衡論は間違っている」という発言で、政府と経済について改めて考えてみた人もいたのではないでしょうか。彼の発言は勿論、保険や医療、年金、などを破壊し自身や外資のビジネスにする事が目的である事は明白ですが・・・それでも緊縮にNOと言った事は大きいです。

緊縮財政に疑問を感じる人が、以前に比べると体感で増えてきた様に感じます。国民の意識の変化が政治を変えるので、こうした「雰囲気」の醸成は大切です。

政府は金を作るのが仕事?

政府がすべき事とは何でしょう?

近年の自民党がやり続けている事は、規制緩和や補助金、税制優遇など供給サイドを鼓舞する事だけです。しかも企業の利益は株主や内部留保という形で、雇用や賃金up、投資には向かっていません、当然ですが。。。今の日本で足りないのは供給量でしょうか?違いますよね。

足りないのは需要です。

政府は需要を増やせないのでしょうか?いえいえ勿論出来ます。例えば国立の博物館を建てたとしたらどうでしょう?建設業者、その資材を供給する商社、メーカー、インフラ関連などに対して直接需要を作ります。更にそこに人の流れが期待できれば、民間企業も進出を検討するでしょう。交通インフラや商業施設、当然多くの雇用も生まれます。そうして新たな需要と雇用が連鎖的に生まれて行くのです。

民間が投資をし需要を産み出す体力が無い中、政府まで需要を産まないなど愚策にも程があります。

この20年以上、実質賃金は下がっているのですから、家計の購買力は低下しています。つまり政府が企業をいくら支援しても、個人の所得には繋がっておらず、購買力ひいては需要自体を抑え込んでいる状況です。

政府は「ビジネス感覚」をやたら持ち込もうとしますが、ビジネスは民間がやるものです。それでも敢えて「ビジネス感覚」に乗るのであれば「政府が供給できるメイン商品」とは何でしょう。

それは「お金」です。

国民が「家計に金が足りない」と言っているのに金を供給せず、「内部留保で腹一杯」と言っている一部企業に金を流す。これのどこにビジネスセンスが有るのでしょう。お笑い種です。

必要な所に必要なだけ「お金」を供給する事こそが、政府が経済面において外せないビジネスなんですよ。そして実体経済に「お金」が溢れ弊害が懸念される状況になれば税収を増やす施策を検討すれば良い。馬鹿みたいに金融経済ばかり膨らませて、実体経済は痩せっぽちにして、そんな国に未来は無いですよ。

足を引っ張っても幸福にはなれない

派遣は誰が一番儲かるのか・・・派遣会社です。雇用を産み出している雇用主でも、実際に労働する派遣された人でもありません。つまり実体経済に寄与する度合いと全く関係のないバランスが生まれています。

コレもし国が直接行ったらどうでしょう?つまりJGPの様に、離職した際のセーフティーネットとして国が仕事を用意する。ハローワークをもっと意味と意義の有る組織に格上げし、中抜きの無い状態を目指すのです。結局、今の社会を不安定にしているのは派遣もそうですが、サブスクやマッチング、貧困ビジネスなどの「人の褌で相撲を取る」的な所へ富が流れてしまっている事が一因だと思うのです。それぞれ便利でメリットも有りますが、それ以上に経済全体に与えるデメリットの方が遥かに大きいでしょう。

BIも現在の社会保障体系にプラスするのであれば全然有りでしょう。需要を作り出すという意味も含めて。しかし代替という事であれば議論の余地は無いでしょう。月数万円の為に、良質な皆保険を手放し修羅の国アメリカに倣うなど有り得ない話です。

幸運な事に日本は理論上「高福祉低負担」が可能な国です。しかし政府は「低福祉高負担」を、野党第一党は「高福祉高負担」を標榜しています。

政府が積極財政を行い、公務員を増やし、公共事業を増やし、教育・医療・福祉の無償化を実現すればGDPは安定的に増加します。それは国債発行残高の対GDP比を改善させ、緊縮派が望む財政健全化という無意味な理想にも近づくのです、皮肉な事ですが。

政府支出はGDPの構成要素であり、公務員の給与などもその中に含まれるのです。

「日本はGDPで世界3位の経済大国だ!」と言いながら「公務員は減らせ、ボーナス減らせ」と言っている人は、10位とか20位にでもしたいのでしょうか。

派遣は段階的に削減し、公務員は増やし、モラトリアムな人の雇用は国が創出して、国民全体の経済的底上げを目指すべきです。同じ国民の足を引っ張ってもあなたの暮らしは改善しない。

経世済民・反緊縮・積極財政

今回のコロナで今までの政治が、どれだけ杜撰で恣意的で無計画であったか気付けた人は結構な数いると私は思っています。希望的観測も含めてですが。

非常時に対する備えを無駄と呼び、削減してきた歴史。そのツケを今まさに私達が払わされているわけです。それも経済や生命で払わされているのです。

政治の誤ちは国民を殺し、生活を壊し、国を壊します。今回気付いた人達が、次の選挙で今までと違う選択をする事でしか現状は変わりません。

政府がやるべき事を的確にやる様、国民は監視し、批判し、称賛し、選挙で想いをぶつけるのです。もしあなたがこの国が好きで、家族や友人も幸せでいて欲しいと考えるのならば、政治と生活は密接で気を抜くと大切な誰かが不幸に巻き込まれるという危機意識を持っていて欲しい。

声をあげ続けましょう、諦めたら終わりです。

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