改革とは「過去や現在を否定し一から作り直す事」で家で例えると「建て替え」です。一方改善は「過去や現在を肯定しつつバージョンアップする事」つまり「リフォーム」です。家に例えましたが、具現化されたものとして建物は良いサンプルだと思います。
所謂古民家の類は築100年とかあるわけですが、戦後の日本の住宅は25年もすればボロボロと言われます。歴史と伝統を捨て、経済効率のみを追い求めた結果がこのザマです。
「小泉改革」なんてものがありましたが、「中から自民党をぶっ壊す」という勇ましい言葉を自民党というぬるま湯の中で叫ぶ姿に共感したビジネスパーソンは多かったわけです。司馬遼太郎的歴史観の明治維新や坂本龍馬とも重なるのでしょう。今で言えば維新の会ですね。基本的にこの手の人達は「保身」が担保される状況が必須という共通点があります。
ですが「改革」と称して行われる事の殆どは「利権の移転」なんですよね。例えば大阪では公務員を削減し、派遣公務員が急増しています。公務員は国や地方から所得を得るわけですから「利権者」は労働者自身なわけですが、民営化によって「利権者」はパソナの様な派遣会社になるわけです。こんなモノを改革と呼ぶのもどうかと思いますが、コレを支持する人の心理も理解に苦しみます。コレで経費が減るのであれば労働者の賃金が下がり、派遣会社が中抜きしただけの話です。労働者は消費者でもあるので、社会全体で見れば「購買力の低下」「格差拡大」に寄与しただけです。言い換えれば「労働者の富の一部」が「派遣会社の経営者や株主の富」になったという事です。