哲学者オルテガはこう言いました。
「大衆とは無個性で周囲の人間と同じだと感じ、しかもそれを苦痛に感じない、むしろ満足感を覚える全ての人々のことである」
なぜ大衆はこうなってしまうのでしょう?
それは孤独だからです。自由を手にした代償に自分のルーツから離れ、伝統的価値や秩序、しきたり、道徳心などが希薄になり、寂しい故に大衆の流れに身をまかせるのです。そこから弾き出されないように。バンドワゴン現象です。各人がこう思う時、集団極性化が起こり大きく間違った方向へ行きがちです。
よく「私は個性的だから違う」などと勘違いする方がいますが、周囲との比較で個性的と思っている時点ですでに、大衆の中のポジション争いに参加しているに過ぎないのです。
本当に個性的であるならば、主義主張の違う大衆に迎合するのはおかしいですよね?なぜその中に居続けるのでしょう。
1人1人が「少数派」になる事を恐れるあまり、誰も本心を言えず「今までと同じ」を選んでしまう。その結果、誰も望んでいない方向へ進んでしまう。「アビリーンのパラドックス」です。