現実の「将来世代のツケ」とは何でしょう?
それはケチって老朽化した橋や道路を放置したり、十分な医療や教育を提供する体制を削減したりする事です。そして現役世代を貧困化させる事も結果的に将来世代を貧困化させます。
これらは安全で快適な環境を後世に繋ぐ大切な投資であり、必要経費です。この為の国債発行を「将来世代のツケ」と呼んでしまうセンスには正直ゲンナリします。
国家の会計と家計は通貨発行権の有無で全く別物なので、例えるのは良くないのですが敢えて家庭に例えて見ましょう。
AさんはBさんと結婚し、子供が産まれました。子供が成長するとAさんは借金をして充分な教育を与えました。子供は大学院を出て、就職、結婚をし孫も産まれました。
「将来世代のツケ」と言ってる人は、子供達に「お前に掛かった教育費、耳揃えて返せ」という世界を想定しています。「でも結局借りた相手に借金返さないといけないだろ」と言うかもしれません。確かに近所のおっさんから借金したのなら返さないと破産しますね。ですが借金相手がBさんだったらどうでしょう。
AとBの関係は「政府と日銀」の関係であり、借金と呼んでいるのは国債発行の事です。これを削ると言う事は「子供の教育費を削れ」と言ってる事と同じです。