将来世代のツケって何だ?

2020年9月1日

立憲民主党党首の枝野氏が昨日、唐突に減税を叫び始めました。安倍氏辞任から各政党が次期衆院選に向けて動き始めた為でしょう。今までの経緯を見てきた方ならご存知でしょうが、野党内で明確に減税反対を打ち出していたのは立憲民主党執行部だけです。

れいわ新選組山本氏の「消費税5%で野党共闘を」という声に反対し、共産党の5%提案も拒否し、国民民主党との合流でも減税の要求を跳ね除けました。ここまで野党共闘が成立しなかった最大の要因は、この頑なな立憲執行部の態度です。

それが一部の支持団体からの声でコロッと態度を変えました。

結果的に見れば減税に傾いた事は良かったですが、枝野幸男と言う人物は「自分の立場>イデオロギー>国民」なのだと言う事が浮き彫りになったのではないでしょうか。

ところで彼等が言う「将来世代にツケを回さないために消費税は必要だ」と言うのは本当なのでしょうか?

「将来世代のツケ」の正体

彼等は 国債発行残高=国の借金=将来世代のツケ と考えています。これは間違いで、まず国債発行残高は「国の借金」では無く「政府の借金」です。また「政府の借金」は最終的には日銀当座預金の「お金」を家計や民間に供給する行為です。言い換えるなら政府による「お金の供給残高」でしかありません。何故これを「将来世代のツケ」と呼ぶのか・・・それは「政府の借金も普通の借金と同じで返済しなければいけない」と思い込んでいるからです。確かに海外から借金しているのなら返済しなければなりません。しかし国内で循環するのであれば民間サイドから政府サイドに国債が戻った時点で借金では無くなります。この政府サイドには日銀も当然含まれます。

国債発行は、あくまでも民間サイドに貨幣供給するプロセスの一部であり、これを削ると言うのは民間に流通する「お金の量」を削ると言う事です。

教育で例えてみると・・・

現実の「将来世代のツケ」とは何でしょう?

それはケチって老朽化した橋や道路を放置したり、十分な医療や教育を提供する体制を削減したりする事です。そして現役世代を貧困化させる事も結果的に将来世代を貧困化させます。

これらは安全で快適な環境を後世に繋ぐ大切な投資であり、必要経費です。この為の国債発行を「将来世代のツケ」と呼んでしまうセンスには正直ゲンナリします。

国家の会計と家計は通貨発行権の有無で全く別物なので、例えるのは良くないのですが敢えて家庭に例えて見ましょう。

AさんはBさんと結婚し、子供が産まれました。子供が成長するとAさんは借金をして充分な教育を与えました。子供は大学院を出て、就職、結婚をし孫も産まれました。

「将来世代のツケ」と言ってる人は、子供達に「お前に掛かった教育費、耳揃えて返せ」という世界を想定しています。「でも結局借りた相手に借金返さないといけないだろ」と言うかもしれません。確かに近所のおっさんから借金したのなら返さないと破産しますね。ですが借金相手がBさんだったらどうでしょう。

AとBの関係は「政府と日銀」の関係であり、借金と呼んでいるのは国債発行の事です。これを削ると言う事は「子供の教育費を削れ」と言ってる事と同じです。

消費税は安定財源と言う詭弁

「消費税は安定財源だから良い」と言う言葉も緊縮派の好きなフレーズです。これ、全くお話になりません。景気が悪く生活が苦しくても生きる為に必要な出費があるから安定財源なのです。税は景気に連動する事でスタビライザー(安定装置)として機能します。つまり安定させるべきは景気であって、税収ではないのです。累進課税には景気を安定させる機能が有りますが、消費税にはその機能は有りません。人頭税と大差のない悪税です。

今回、枝野氏が減税を口にしましたが、税収が支出の源泉だと思っている以上、何処かのタイミングでエグい増税をブチ込んで来るのは目に見えています。政府の借金の相手が一体誰なのか冷静に考えない限り、自らの無知が作り出した恐怖に怯えて財源探しの迷宮をゾンビの様に彷徨うだけです。

そして将来世代への投資を怠れば、それこそが本当のツケを将来世代に負わせる事となるのです。

Share the love!!
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •